リチャード・ワイズマン博士著「その科学があなたを変える」の書評&要約

書評

 

リチャード・ワイズマン著「その科学があなたを変える」を読了しました。

とてもためになる内容でしたので、メモがてら書評記事を書いておきます。

 

最初に時間がないって方向けに簡単要約を載せておきます。読むのが面倒な方はここだけ読めばOKです。

簡単要約「その科学があなたを変える」

嬉しいから笑う。怖いから逃げる。感情が行動を決めるというのが常識だったが、実は逆でした。笑うから嬉しくなる。逃げるから怖いと思う。つまり、幸せになりたければ幸せであるかのように振る舞えばいいのです。

「AS IF(~かのように)」まず行動すると、あなたの気持ちが変わる。すべてを変える、それがアズイフの法則です。

数多くの実験で「As ifの法則」は立証されました。

正確に言えば、感情は人間の行動に影響を与えるとともに、行動が感情をひきおこすという相互作用があります。

自分を変えたければ、変えたい理想の自分のように振る舞うのが手っ取り早いのです。

 

「その科学があなたを変える」の要点まとめ

以下、「その科学があなたを変える」の要点をまとめていきます。

 

1.行動が感情を変える

嬉しいから笑う。怖いから逃げる。心理学の世界では、感情が人の行動を決めるといわれていましたが、ウィリアム・ジェームスという100年の前の心理学者が感情と行動の関係について興味を持ち、行動の仕方が感情に影響を与えるのではないかと仮説をたて研究しました。その結果、人の話し方や歩き方が感情に影響を与えるということが判明しました。

 

フロリダ州アトランティック大学のサラ・スノドグラス氏はグループを以下の2つにわけて歩き方が感情に与える実験を行いました。

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1.大股で腕を振り、背筋を伸ばすように歩くグループ

2.小股でのろのろと、うなだれて動くグループ

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歩いた後の幸福度を計測したところ、その結果、アズイフの法則の威力が示されました!

なんと、大股で歩いた人たちの方が、のろのろ歩いた参加者よりも幸福度を感じる度合いがはるかに高かったのです。

 

また別の実験では、人の話す言葉や話し方が感情に影響を与えることが立証されました。

 

試しに以下の言葉を声に出して読み上げてみてください。気分が前向きになるはずです。

幸せな気分になれる言葉

1.今日はとても自分に自信をもてる

2.私は、何をしてもうまくいきそうな気がする

3.私はみんながやさしくしてくれるのでうれしい

4.私が何かをしようと決めたときは、たいていうまくいく

5.私はいま、猛烈にやる気がある

6.私はいまとても元気で、していることが楽しくて仕方がない

7.今日は、とくに調子がいい。

8.私はいまとても楽観的で、どんな人ともうまくやれそうな気がする

9.私はいま、自分についても世の中についても、とても満足している。

10.私はいま、のりにのっていて、つぎつぎにアイデアが湧き、どんなことでも解決できそうだ。

11.私は、友達とこれからも長く付き合える自信がある

12.私は思い通りの人生が遅れそうだ。

13.とても気分がいいので、誰かに素敵な曲を演奏してもらいたい。

14.こうやって読み上げることは楽しい。そして確かに自分に自信がもてる。

15.いまの私はやる気満々で、すぐにでもなにかはじめたい!

いかがでしょうか?

行動が感情に影響を与えるというのはつまりこういうことなんですね。

 

2.As IFの法則で性格を変えることもできる

従来は、性格が行動を決めるとされていました。

この理屈でいえば、外向的な人はどんな場面でも外向的であるはずです。外向的な人はどんなときもおしゃべりをし、内向的な人はどんなときも隅に隠れる。というように。しかし、そうはならない。

実際は、ある外向的な人があるときは活発にしゃべりまくると思えば、ある時は黙り込んだりしたのです。性格が行動を決めるという一貫性は間違いだということです。

 

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原因と結果に関するこれまでの常識:
外向的な性格→外向的行動

アズイフの法則にもとづく現実:
外向的行動→外向的性格

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例えば、微笑んだり、力強く握手したり、自信のあるようなポーズとったりした人は、自信が高まるようになるのです。

 

また、服装を変えることは気分を変える一番簡単で効果的な方法でもあります。

ある心理学者の研究によると、黒いいシャツを身に着けると、人はより威圧的で攻撃的になる傾向があるそうです。逆に、くつろいだ服装を着れば、穏やかで寛容な人間に変わるそうです。

また、スーツのようなきちんとした服装をすると、着ている本人も成功した感じの自分をイメージし、自尊心に影響を与えるようです。

服装を変えると、周りの人に与える印象が変わるだけではなく、自分の自尊心やアイデンティティも変わるので、服装に気を遣うのはおすすめです。

 

3.若々しく行動する人ほど実際に若い

若者のように行動したり、自分より年下のパートナーがいる人は、寿命が長い傾向にあります。

また、それだけではなく、自分が実年齢よりも20歳若いかのように思い込んで、その通りに振る舞っている人ほど、記憶力、知能、脳年齢、見た目年齢が若いことがわかったのです。つまり、若者のように行動すると、老化が抑えられるのです。

 

また、高齢出産はあまり良くないとされていますが、そうではないそうです。

心理学者のエレン・ランガー氏は、高年齢で出産した人と平均年齢で出産した人の平均寿命を比べてみたところ、遅く子供を産み育てた人の方が寿命が長い傾向があることを発表しました。

年下パートナーや子供の存在は、気分を若返らせ、実際に肉体も老化を防ぐ効果があるということです。

 

70代、80代でも脳と体と刺激する活動(テニス、ゴルフ、水泳、サイクリング、ダンス、ウォーキング、登山、家事、読書、作文、クロスワードパズル、楽器演奏等)をしている人ほど、認知症の進行が緩やかなであることが分かっています。

劇作家のジョージ・バーナードショーは「人は老いたから遊びをやめるのではなく、遊ばなくなるから老いるのだ」といいましたが、これは真実であることが立証されました。

 

まとめ

「As ifの法則」はあらゆる場面で働きます。

自信を持ちたければ、自信があるかのように振る舞い、恋人がほしければ、すでに恋人がいるかのように振る舞えば、そのようになっていきます。行動の仕方が感情や意思、セルフイメージを変えていきます。

数々の立証データだけではなく、具体的に自分を変えていくメソッドまでたくさん紹介されているので、とても読み応えがある本でした。おおげさでもなく、無駄なページは1ページもなかったです。

とてもお勧めできる本ですので、余裕があったら読んでみてください。

 

 

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