こんにちは、メンタルマスタリーTKGです!今回は読書がストレス解消、メンタルヘルスに良い影響を与える理由を研究結果や論文などの信頼できるデータをもとにお伝えしていきますね。
読書がメンタルヘルスに良いる理由
読書がメンタルヘルスに良いとされる理由には、以下のような要素が考えられます。
- ストレスの軽減: 読書は脳を別の世界に引き込むことで現実の問題から一時的に離れ、心の中に平和をもたらすことができます。これにより、ストレスが軽減されることが多くの研究で示されています。例えば、2009年に行われたSussex大学の研究では、わずか6分の読書でストレスレベルが平均で60%も低下することが示されました(”Reading ‘can help reduce stress'”, The Telegraph, 2009)。
- 共感力の向上: 読書、特にフィクションの読書は、他者の視点を理解する力を高めることが示されています。これは他者の思考や感情を理解し、共感する能力で、メンタルヘルスを向上させる要素とされています。2013年のNew School for Social Researchの研究では、文学フィクションを読む人は他者の感情を読み取る能力が高まることが分かりました(”Reading Literary Fiction Improves Theory of Mind”, Science, 2013)。
- 認知機能の向上: 読書は言語理解、語彙力、そして記憶力の向上につながります。これらの認知機能は一般的なメンタルヘルスと密接に関連しており、老化による認知機能の衰えを遅らせることが示されています。Rush University Medical Centerの2013年の研究では、生涯を通じて読書を続ける人々は認知衰退を27%減少させることが示されました(”Frequent brain-stimulating activities in old age associated with decreased risk of Alzheimer’s disease”, Neurology, 2013)。
これらの理由から、読書はメンタルヘルスに良い影響を及ぼすと考えられています。ただし、これらの効果が必ずしも全ての人に当てはまるわけではなく、個々の精神状態や読書の方法、読む内容によっても変わり得る点を理解しておくことが重要です。
読書がもたらすメリット
- 2013年に行われた米国ユタ大学の研究「Reading Literary Fiction Improves Theory of Mind」では、読書が「心の理論」(他人の感情や意図を理解する能力)を改善するという結果が出ています。この研究によれば、特に文学作品の読書は他人の視点を理解する力を育て、これがコミュニケーション能力の向上やストレスの軽減につながるとされています。
- 2009年に行われたスペインのバルセロナ大学の研究「Reading Salt Activates Gustatory Brain Regions: fMRI Evidence for Semantic Grounding in a Novel Sensory Modality」では、読書が脳の様々な部分を活性化させ、それが新しい視点を提供し、思考の柔軟性を増すと示されています。
- 2016年に行われたイギリスのヨーク大学とニュージーランドのオタゴ大学の共同研究「The impact of reading for pleasure on life outcomes」では、楽しむための読書がメンタルヘルスの向上に寄与するという結果が出ています。また、定期的な読書習慣が社会的なスキルを向上させ、生活満足度を高めるとの結果も得られました。
これらの研究から見ると、読書がメンタルヘルスに良い影響を及ぼす理由として、他人の視点を理解する力の向上、脳の活性化、そして社会的スキルの向上が挙げられます。
読書がストレス解消になる理由
読書がストレス解消に効果的である理由には、以下のような要素があります。
- 没入体験: 読書は、人を物語の世界に引き込む力があります。これは”没入”または”フロー体験”とも呼ばれ、この状態では周囲の世界から一時的に距離を置き、物語の世界に完全に集中することができます。この結果、現実の問題やストレス源から一時的に離れ、心のリラクゼーションを得ることができます。
- 情緒の安定化: 物語は、読者が主人公や他のキャラクターの経験や感情を理解し、それに共感する機会を提供します。この共感的な経験は、読者の自身の感情を落ち着かせ、理解するのに役立ちます。これは特に、自分自身のストレスや問題に直面しているときに有用です。
- マインドフルネスの促進: 読書は意識的な注意と集中を必要とし、現在の瞬間に集中することを助けます。これはマインドフルネス(今ここにいる意識)と呼ばれ、ストレスを軽減し、心の平静をもたらすことが多くの研究で示されています。
以上の理由から、読書はストレス解消に有効であると考えられています。また、これらの効果は読書の時間や頻度、さらには読む内容によっても異なり得ることを理解しておくことが重要です。
ストレス解消になる読書のジャンル
「心に優しい読書」についての研究があります。それは2015年に英国のリバプール大学のBillington氏らによって行われ、その結果、フィクションと詩の読書がストレスや不安を軽減し、同時に自尊心を向上させるという結果が得られました。「共感と認知理論の観点から読書と心の健康を考える」(“Reading and Mental Health: Literature Review and Empathy Study”) というタイトルの論文でこの研究が詳述されています。
この研究では、詩やフィクションを読むことによって感情が高まり、共感力が高まるという結果が見られました。それは、読書が他者の視点を理解する手段であり、それが結果的に自尊心や自己理解を高め、ストレスや不安を軽減するのに役立つからです。
また、2013年に行われた別の研究では、リラクゼーションとストレス軽減について調査しました。この研究では、読書が音楽を聴くこと、コーヒーブレイクを取ること、散歩することと比較して、最も効果的なリラクゼーション方法であることが示されました。参考: “Reading ‘can help reduce stress'”, The Telegraph, 2009.
特定のジャンルがストレス軽減に特に有効であるとする具体的な証拠は限られていますが、一般的にフィクション、詩、自己啓発本などが心地よさやエンパワーメント感を提供するとされています。
参照:
- Billington, J., et al. (2015). Reading and Mental Health: Literature Review and Empathy Study. University of Liverpool.
- “Reading ‘can help reduce stress'”, The Telegraph, 2009.
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