■「どうせ僕なんて」が口ぐせだった頃の話
正直に申し上げますと、20代前半の私は自信というものがまったくありませんでした。
容姿もいわゆる“中の下”くらい。服のセンスにも自信がなく、女性との会話になると必要以上に緊張してしまい、話が広がらない。恋愛経験もほとんどない状態でした。
マッチングアプリを始めても、メッセージのやり取りが続かず、やっとの思いで会えたとしても、その後に繋がることはほぼ皆無。
「また連絡しますね」と言われたまま、音信不通になることも少なくありませんでした。
たまに女性と飲みに行けたとしても、
「嫌われたくない」「楽しませないといけない」
そんな思いばかりが先行してしまい、自分の気持ちは後回し。常に相手の顔色をうかがいながら、空気ばかり読んで会話を合わせていました。
自分の言葉にすら自信が持てず、場を盛り上げることも、リードすることもできずに、どこかで「僕なんかが相手になるはずがない」と思い込んでいました。
今振り返ってみれば、「モテない男性」の典型だったと思います。
それでも心のどこかでは、「自分も変わりたい」という思いがありました。
けれど、街中で女性に囲まれている男性や、SNSで恋愛上手な人を見ると、つい言い訳ばかりしてしまうのです。
「顔が良いからだろう」
「金があるからモテるんだ」
「トーク力があるのは、才能だろう」
――そうやって、誰かを羨ましく思いながらも、自分の殻からは出られないまま日々が過ぎていきました。
そんなある日、ある言葉が目に飛び込んできました。
「自分を信じていない人に、他人が魅力を感じることなんて、ない」
この一文が、まっすぐに胸に刺さりました。
その瞬間、私は気づかされたのです。
これまでの恋愛の失敗も、人間関係が浅く終わっていた理由も、
“誰かに否定されたから”ではなく、
“自分で自分を信じていなかったから”だと。
それから、少しずつ意識が変わり始めました。
■「自己肯定感」って、結局なんなんでしょうか?
自己肯定感という言葉、ここ数年でずいぶんと耳にするようになりました。
ですが、正直に申し上げますと、当時の私はこの言葉の本質がよくわかっていませんでした。
「自信を持つこと?」「ポジティブになること?」――そんな漠然としたイメージだけで、どこかふわっとした、現実味のない概念だと感じていたのです。
でも、自分の生き方や恋愛のあり方に行き詰まりを感じたとき、少しずつその意味を自分なりに噛み砕いていくようになりました。
そして、あるとき、ふとこう思ったのです。
「根拠なんてなくても、自分のことをちゃんと肯定してあげられる力」
「うまくいかない日があっても、自分を責めずに受け止められる余裕」
「誰かの評価やSNSの“いいね”より、自分自身の感覚を信じる心」
これこそが、自己肯定感の正体なのではないかと。
それからというもの、自分を少しずつ信じてみる、という小さな挑戦を繰り返しました。
たとえば、
-
鏡の前で、たとえ冴えない顔でも「今日もお疲れさま」と声をかけてみる
-
失敗して落ち込んだ日も、「でも、やったことには意味がある」と心の中でつぶやく
-
誰かの期待に応えようとしすぎるのではなく、「自分がどうしたいか?」を大切にする
最初は正直、ぎこちなくて、自分を甘やかしているような、変な罪悪感すらありました。
でも、それでも続けていくうちに、ある“変化”が起こったのです。
例えば、女性と話すとき。
以前の私は、「嫌われたらどうしよう」「変に思われたくない」と緊張してばかりでした。
でも今では、自然と会話を楽しめるようになり、相手の目をまっすぐ見て話せるようになりました。
無理にウケを狙わなくても、こちらが笑えば、相手も笑ってくれる。
意見がぶつかりそうなときでも、恐れずに「僕はこう思います」と言えるようになりました。
そして何より、「それでもこの人、いいな」と言ってくれる女性が現れ始めたのです。
この経験から、私ははっきりと確信しました。
自分で自分を認められている男性というのは、外見やスペックに関係なく、それだけで魅力的に映るのだと。
「この人、自信があるな」とか、「堂々としているな」とか、
そうした印象の根っこにあるのは、華やかな経歴やルックスではなく、
静かに、でも確かに燃えている“自己肯定感”なのだと思います。
そしてそれは、誰かから与えてもらうものではありません。
自分の中に、少しずつ育てていくものなのです。
■なぜ自己肯定感が高い男性はモテるのか?【3つの理由】
① 安心感と信頼感がある
女性が男性に求めるものは、必ずしも「刺激」や「派手さ」ばかりではありません。
むしろ長く一緒にいたいと思える相手に対して、多くの女性が重視しているのが「安心感」です。
それは「この人といると、自分らしくいられる」「変に気を使わずに済む」という感覚に直結しています。
自己肯定感が高い男性は、心が安定しています。
何かトラブルが起きても、すぐに感情的になったり、相手のせいにして責め立てたりはしません。
自分を信じているからこそ、他人にも過剰な期待を押し付けず、余裕を持って接することができるのです。
また、自分を必要以上に卑下しない人は、相手を過度に理想化することもありません。
「あなたがいないとダメなんだ」ではなく、「あなたといるともっと楽しい」と伝えるような愛し方ができる。
この“依存ではない関係性”こそが、女性にとっては非常に心地よく、「この人と一緒にいたい」と思わせるのです。
実際、私も昔は女性と会話をするだけで緊張し、沈黙が怖くてムリに話題をつなげようとしていました。
けれど自己肯定感が育ってからは、沈黙の時間も怖くなくなりました。
「言葉がなくても大丈夫」という雰囲気が出せるようになり、結果として、より深い信頼感を築けるようになったと感じています。
② 主導権を握れてリードできる
自己肯定感が高い男性は、「自分の考え」に自信があります。
そのため、相手にすべてを委ねたり、過度に相手の顔色をうかがって合わせることはしません。
たとえば、デートの行き先を決めるとき。
以前の私は、「どこがいい?」「なんでもいいよ」と相手に任せきりでした。
けれど、今では自分から「最近気になっていたお店があって、よかったら一緒に行ってみない?」と自然に誘えるようになりました。
すると不思議なことに、相手も安心して「うん、それ行ってみたい!」と乗ってきてくれるのです。
これは単なる“エスコートの上手さ”という話ではなく、
「この人は、自分の意思を持って行動している」という印象を与えられるかどうか、という本質にかかわる部分です。
女性にとって、主導権を持ってくれる男性というのは、一緒に過ごす時間に“方向性”がある安心感を感じさせます。
もちろん、相手の気持ちを無視して押しつけるような独りよがりの行動ではいけませんが、
「自分の世界観を持っていて、それを共有してくれる男性」というのは、非常に魅力的に映るものです。
③ 本能的に「強さ」を感じる
進化心理学の観点からも、人間は無意識に「自分を守ってくれる存在」や「集団の中で信頼されている存在」に惹かれる傾向があります。
とくに女性は、潜在的に「安心して子育てができる環境」や「信頼できるパートナー」を求める本能を持っています。
それが現代的な恋愛にも形を変えて残っているのです。
自己肯定感が高い男性は、自分を疑わず、堂々としています。
たとえば、会話のなかで意見が違っても、焦って否定したり、ごまかしたりせず、
「そういう考え方もあるんだね。ちなみに僕はこう思ってる」と、落ち着いて自分の意見を述べることができます。
この“ブレなさ”や“自分軸”こそが、相手に「この人、信頼できるな」「一緒にいても不安にならないな」と思わせる最大の要素です。
そしてこの感覚は、言葉で説明されなくても、態度や雰囲気からにじみ出ます。
人は、どこかで相手の“自己評価”を感じ取る生き物です。
「この人、自分のことをしっかり受け入れてるな」と感じたとき、相手はあなたを“自然と格上”として扱うようになります。
私自身も、以前は「モテる男=見た目やステータスが高い人」と思い込んでいました。
でも実際に女性と向き合っていくと、見た目が普通でも、話し方や立ち居振る舞い、空気の作り方で
「なんかこの人、魅力あるな」と思ってもらえることが増えてきたのです。
そしてその核心にあったのが、“自分を信じている姿勢”――すなわち自己肯定感でした。
■ 私が変われたのは、“行動”してからでした
自己肯定感というのは、決して一晩で劇的に高まるようなものではありません。
もちろん、自己啓発本を読んだり、誰かの成功談を聞いたりすることで一時的に気分が上向くことはあるかもしれません。
しかし本当に大切なのは、「それをきっかけに、実際に自分の足で一歩を踏み出せるかどうか」――この一点に尽きると、私は実感しております。
私自身も、最初から変われたわけではありませんでした。
何か大きな出来事があって自信がついたわけでも、周囲に劇的に褒められたわけでもありません。
ただ、小さな“行動”を積み重ねたことが、すべての始まりでした。
● 筋トレを始めて、体が変わった
最初は自重のスクワットを10回するだけでも息が上がっていましたが、それでも週に2回は続けました。
筋肉が少しずつついてくると、鏡に映る自分の姿に変化が見え始め、「あれ、なんか悪くないかも」と思える瞬間が増えていったのです。
それは見た目以上に、“自分と約束を守れた”という自己信頼をもたらしてくれました。
● 嫌われることを恐れず、自分の意見を言うようになった
以前の私は、人の顔色をうかがってばかりで、何か意見を求められても「なんでもいいよ」「任せるよ」と言っていました。
でも、それでは本当の意味で誰かと向き合うことはできないと気づき、「僕はこう思います」と言葉にする勇気を持ち始めたのです。
最初はドキドキしましたが、意外にも周囲は「しっかり考えてるんだね」と受け止めてくれることが多く、
「人に合わせすぎるより、自分を出した方が信頼されるんだ」と思えるようになりました。
● ダメな自分も「まあ、そういう日もある」と受け入れた
完璧じゃないとダメだ、失敗したら価値がない――そんな極端な思考に支配されていた私でしたが、
あるとき「今日はうまくできなかった。でも、それも人間らしくていい」と思えるようになったのです。
それは、自分に対する見方を「敵」から「味方」に変えた瞬間でもありました。
完璧じゃないからこそ、人の痛みもわかる。
そんな自分も、案外悪くないと思えたのです。
● 人と比べるのをやめて、「昨日の自分」とだけ勝負した
SNSを開けば、キラキラした誰かの成功が目に入ります。
以前はそれを見ては落ち込んだり、自分には何もないと感じたりしていました。
でも、ある日から「他人の人生は、その人のもの。私は、昨日の自分にだけ勝てればいい」と視点を変えました。
そう思えるようになってからは、他人の投稿を見ても焦ることが少なくなり、自分のペースで歩けるようになったのです。
気づけば、「俺なんて」が口ぐせだった私が、
いまでは女性から「また会いたい」と言っていただけるようになっていました。
見た目も、肩書きも、急に変わったわけではありません。
けれど、自分を信じる姿勢が変わったことで、相手の感じ方がまるで違ってきたのです。
■ まとめ:まず、自分を信じてあげてください
「どうせ俺なんて」と思ってしまうとき、
実は一番自分を否定しているのは、他の誰でもなく、自分自身なのです。
でも、よく考えてみてください。
あなたはこれまで、たくさんのことを乗り越えてきたはずです。
うまくいかない日も、泣きたい日も、笑われた日もあったかもしれない。
でも、そのたびにちゃんと立ち上がってきた。
その姿を、一番近くで見てきたのは、誰よりもあなた自身なのです。
モテる男性、魅力的な人というのは、必ずしも「顔が良い」「お金がある」といった表面的なことだけではありません。
本当に人を惹きつけるのは、「自分のことを認め、信じられている人の持つ雰囲気」なのだと私は思います。
「自分はこれでいい」と思えること。
「不完全でも愛される」と知っていること。
それをベースに、人と自然体で向き合えること。
それだけで、世界は少しずつ変わっていくのです。
最後に
もしあなたが今、少しでも「俺なんて」と思っているなら、
まずは一日ひとつ、自分を認める言葉を口に出してみてください。
たとえば、こんな風に。
「今日もちゃんと起きて、頑張って生きた。それだけで、えらい」
「嫌なことがあったけど、顔を洗って前を向いた。それだけで、立派だ」
そんな一言で十分です。
なぜなら、そこからすべてが始まるからです。
あなたは、まだまだこれからです。
小さな“自分への信頼”が、やがて他人からの信頼や愛情へとつながっていきます。
どうか、まずはあなたが、あなた自身の一番の味方であってあげてください。
コメント