時間的展望とメンタルヘルス

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はじめに

時間的展望がメンタルの強さに与える影響に関する研究はいくつかありますが、ここではフィリップ・ゾンバルドによる「時間的展望」研究を紹介します。

フィリップ・ゾンバルドは、スタンフォード大学の心理学者であり、「時間的展望」に関する研究を行っています。彼の研究では、過去、現在、未来の3つの時間的展望のバランスが、メンタルの強さに重要であることが示されました。過去の成功体験を思い出すことで自信を高め、現在の感謝を練習し、未来の目標に向かって努力することで、メンタルが強くなるとされています。

参考:Zimbardo, P. G., & Boyd, J. N. (1999). Putting time in perspective: A valid, reliable individual-differences metric. Journal of Personality and Social Psychology, 77(6), 1271-1288.

 

フィリップ・ゾンバルドによる「時間的展望」研究

フィリップ・ゾンバルドとジョン・ボイドによる時間的展望(Time Perspective)の研究は、人々が過去、現在、未来に対する態度や信念によって、感情、行動、意思決定に影響を与えることを示しています。彼らは、「時間的展望」に関する概念を体系化し、その影響について詳細に研究しています。以下に、その主要な概念と研究結果を説明します。

  1. 時間的展望の概念:時間的展望は、個人が過去、現在、未来の3つの時間軸をどのように捉え、理解しているかを表しています。ゾンバルドとボイドは、時間的展望を6つのカテゴリに分類しました。
  • 過去ポジティブ(Past-Positive) 過去の良い経験や思い出に焦点を当てる態度。
  • 過去ネガティブ(Past-Negative) 過去の苦い経験や後悔に焦点を当てる態度。
  • 現在ヘドニック(Present-Hedonistic) 快楽主義的な態度で、現在の喜びや楽しみを追求する態度。
  • 現在臨床(Present-Fatalistic) 運命や状況に翻弄されると感じ、現在の行動が未来に影響を与えないと考える態度。
  • 未来目標志向(Future-Goal Oriented) 未来の目標や計画に焦点を当て、自己規制や自己管理を重視する態度。
  • 未来予測(Future-Transcendental) 宗教的信念や霊的な価値観に基づいて、未来の報酬や罰を想像する態度。
  1. 時間的展望と心理的特性・行動:ゾンバルドとボイドの研究では、これらの時間的展望が、人々の心理的特性や行動にどのような影響を与えるかを調査しました。例えば、過去ポジティブな展望を持つ人は、自己肯定感が高く、過去の成功体験を思い出して自信を持ちやすい傾向があります。一方、過去ネガティブな展望を持つ人は、後悔や失敗に執着し、自己肯定感が低くなりがちです。現在ヘドニックな展望を持つ人は、瞬間的な喜びや楽しみを求めることが多く、衝動的な行動をとることがあります。現在臨床的な展望を持つ人は、自分の人生に対して無力感を抱きやすく、ポジティブな変化を起こすことが難しいことがあります。未来目標志向な展望を持つ人は、目標に対して努力し、計画性がありますが、極端な場合、ストレスを感じやすい傾向があります。未来予測な展望を持つ人は、宗教や霊的な価値観が強く、人生に意義や目的を見出すことができることがあります。
  1. 時間的展望のバランス:ゾンバルドとボイドの研究は、過去、現在、未来の時間的展望のバランスが、メンタルの強さに重要であることを示唆しています。適切なバランスを持つことで、人はストレスや困難に対処し、適応力を高めることができます。具体的には、過去の成功体験やポジティブな思い出を大切にし、現在の感謝や満足を練習し、未来に対する目標や計画を立てることが重要です。
  2. 時間的展望の調整方法:時間的展望のバランスを改善する方法として、以下のようなアプローチが提案されています。
  • 過去の良い経験や思い出を振り返り、自己肯定感を高める。
  • 過去の失敗や後悔を受け入れ、成長や学びの機会と捉える。
  • 現在の状況や周りの人々に感謝し、ポジティブな気持ちを維持する。
  • 未来の目標を設定し、計画的に取り組むことで、自己効力感を高める。
  • 必要に応じて、リラクセーションやマインドフルネス瞑想を実践し、ストレスを軽減する。

これらのアプローチを実践することで、時間的展望のバランスを改善し、メンタルの強さを向上させることができます。適切な時間的展望のバランスを持つことは、ストレスや困難に対処し、より効果的な意思決定を行い、人間関係や仕事においても成功を収めるために役立ちます。

  1. 時間的展望とメンタルヘルス:時間的展望のバランスは、メンタルヘルスにも関連しています。過去ネガティブや現在臨床的な展望が強い人は、うつ病や不安障害のリスクが高まることが示されています。一方、過去ポジティブや未来目標志向な展望を持つ人は、自己効力感や生活の質が高まることが分かっています。
  2. 時間的展望の研究の応用: ゾンバルドとボイドの時間的展望の研究は、教育やカウンセリング、組織行動、健康心理学などの分野で応用されています。例えば、学習や仕事において、未来目標志向の展望を持つことで、より効果的な学習や達成が促進されることが示されています。また、カウンセリングや心理療法において、時間的展望のバランスを改善することで、クライアントの心の回復や変容を促すことができるとされています。

 

まとめ

フィリップ・ゾンバルドとジョン・ボイドによる時間的展望の研究は、過去、現在、未来の時間軸の捉え方が、人々の感情、行動、意思決定に影響を与えることを示しています。適切な時間的展望のバランスを持つことで、メンタルの強さを向上させることができます。過去の成功体験を思い出し、現在の感謝を練習し、未来の目標に取り組むことが重要です。

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